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JICA青年海外協力隊第3代スリランカ野球指導員:漆原さんのお話~Part2~

「JICA青年海外協力隊第3代スリランカ野球指導員:漆原さんのお話~Part1~」

ちょっとかぶっているような質問があってわかりにくいかもしれません。漆原さんはそれでも丁寧に答えてくれましたし、スリランカ野球界の現状がよく分かると思います。



1:いろいろな地域で対象も幅広い指導を行われていたということでした
スリランカ野球界について、大まかな組織図みたいなのを教えていただきたいです

大きく分けて、スリランカ野球連盟があり、学校野球連盟があり、そして大学の野球連盟があります。各州という単位では組織はありません。

スリランカ野球連盟がスリランカ代表チーム、クラブチーム(大学や学校に所属しないチーム)を束ねている組織です。
そして学校に在籍している生徒に関しては学校野球連盟が束ねています。
なのでU-18以下のナショナルチームは学校野球連盟が統率しています。大学も同じ感じです。



2:スリランカ野球連盟の役員にはどういった人たちがなるんですか?役員の人はどういったことをするのでしょうか?

役員はかなり細かく分かれていますが、実質的に仕事をしているのは会長、副会長、秘書、後は日本人などサポートする者に対してのコーディネーターです。野球指導以外はこの人たちがやります。

海外へ向かう手続きや、国際野球連盟の会議への参加、大会の主催、資金集め、後は協力隊員の練習スケジュール案作成などです。他にも仕事をしていると思いますが、あんまり思い出せません。
とにかく派閥争いがすごくて、最初はこれに悩まされ、なかなか活動できませんでした。



3:回答にあったスポンサー探し、ということでしたがこれはどういったものですか?
どういったところを中心に脚を運んでいくんですか?

ナショナルチームに資金や道具の援助をしてくれる会社を探します。
地元企業についてはスリランカ人の方が当然知っているので、景気のいい企業、例えば紅茶などの企業ですが、そういう企業を探してもらい、アポを取って交渉に行くわけです。
自分が行かなくてもいいですが、日本人がサポートしているっていうだけでも印象が変わってくるのです。

実際はそんなに大きな額は得られませんでしたが、それでも少しでも援助があれば、ビザ申請にやパスポート作成の資金にしたりと選手の負担を減らすことができます。
それに一回つながりを作って国際大会などで結果を残して野球の知名度が増せば、資金援助額も増す見込みもありますし、次につながるからです。



4:野球だけに専念できない、半ば趣味での活動。毎日どの程度の練習ができるものなんですか?
学生はある程度時間があるにしても、仕事に付いている人はかなり難しそうですね。グラウンドですらクリケットやラグビーなどのスポーツが優先されているという状況みたいでしたから

学生はグラウンドの一部で練習ができますが、大体一時半から五時半くらいまでやっているところもありました。
スリランカの学校は1時には終わるので。
ナショナルチームは仕事がない土日一日中、大体8時から夕方6時くらいまでやりました。

国際大会一ヶ月前は、会社に野球協会から手紙を出し、一ヶ月休みをもらって練習をしていましが、休みをもらえない者は仕事をやめて練習に参加してくれました。
ナショナルチームの場合は色んなグラウンドを探して借りました。



5:最近はパキスタンが軍隊や警官などのチームに所属する選手を中心に強くなってきていると思います、日本で言う社会人野球でしょうか。大会主催したり積極的ですよね
スリランカでもまずはこういった人たちがやり始めれば大きな鍵になるのではないか?と漆原さんはブログで仰ってました
継続してできる環境(金になる、安定して野球に打ち込める環境)が大事だと聞いたので、漆原さんが考えていた育成システム(強化案)みたいなものがあったら聞かせて欲しいです

理想としては社会人野球をつくり、企業で働きながら野球をやれる環境を作って欲しかったです。やはり、野球を続けていくために一番問題になるのは、生活できるかどうかなので。
自分がいた頃はナショナルチームの活動も仕事をやめたり、給料を練習期間もらえなかったりと、生活を犠牲にしなければならない者ばかりでした。実際、もっといい選手がいたのですが、仕事などの事情でナショナルチームに参加できませんでした。

二年という限られた期間で社会人野球を作るのは無理な話で、実際はナショナルチームが勝つことが、競技人口を増やし、そして知名度を上げ、周りからのサポートを得られるものと思っていたので、とにかく国際大会で勝つことを一番の目標にしていました。

国際大会に勝つためにはベストの選手を選ぶこと、物になりそうな選手を選ぶことも大事な要素だったので、なるべく多くのチームを回り選手発掘にも力を入れました。
あとは、底上げが大事だと思ったので、学校の特に低学年の選手を教えることにも力を入れました。やっぱり若い頃に鍛えたほうが、上手になる可能性は高いと思うからです。

ただ、一人で色んな学校を回るのは非効率的だったので、自分の理想のレベルには達しませんでした。
一時期、ある学校のある世代に徹底して毎日のように指導しに行ったのですが、レベルが上がり、その世代は優勝を何度もしましたが、他のチームからねたまりたり、また、自分の手を離れると徐々に上手くいかなくなったという経緯があり、色々と問題がありました。



6:大雑把な質問で申し訳ございませんが、スリランカ野球界の課題・問題点などを教えてください。
例えばJICAの指導員の方が2年でいなくなり、活動休止になったチームもあるとブログに書いてありましたね。普及するのにも育成するのにも継続的に指導する人間がいて、かつ組織化されていないと効果が上がらないように思います

問題は山積みです。
野球普及に関して言えば、道具がないこと、野球の指導者が少ないこと、いてもお金にならないので、野球に専念できないこと、これらが一番の問題点だと思います。
僕らが一つのチームを付きっきりということもできませんし、かといって一人で30以上あるチームを毎回巡回するのでは効率が悪すぎます。
なので指導者講習会や、審判講習会をやって指導者育成が一番いい方法かと考えていましたが、なかなかうまくできませんでした。



7:クラブチームとナショナルチーム、それから育成年代(学生など)
スリランカの野球レベルってどの程度レベルなのか、他の国と比較したときどの程度の位置にいると思いますか?
漆原さん自身感じたことを教えて下さい

クラブチームのレベルは強いチームで高校野球地方大会2,3回戦くらい?
ナショナルチームは高校野球でいうと地方大会ベスト8とか4ぐらい?のチームです。

大体の感じなので、はっきりとしたレベルでは表せませんが、他国と比べるとパキスタンにはまだまだ及ばないです(やりようによっては勝てるが、自分が教えてたチームのスタイルでは勝てない)

逆にタイやインドネシアの方がやりやすく、実際タイには勝つことができました。
世界ランキングはタイやインドネシアの方がパキスタンより上だったような気がします



8:当時はまだ内戦(反政府組織の鎮圧活動)が続いていたと思うのですが、治安は大丈夫でしたか?

治安は100%大丈夫とは決して言えません。
ただ、だいたいテロが起こる日や起こる場所は予測で事前に通知されるので、危険な時は外出しません。
例えば、スリランカの独立記念日当日、前後など(この日の前日に教え子と同僚は駅で自爆テロに巻き込まれ亡くなりました。)。移動しなければならない時は、バンやタクシーを借り、乗せていってもらいますし、人込みは絶対に避けます。

自分は三回空爆の経験をしていますが、一回は家で寝ている時、もう二回は外出時です。頻度は少なくても空爆はいつ起こるかはわからないので外出している時は非常に焦りました。
街の電気は全部落とされ、真っ暗になります。理由は街の明かりを目指して空爆機が飛んでくるからです。レーダーなどに引っ掛からない高さのようですので、政府も肉眼や音で確認すると聞いたことがあります。

内戦自体はありましたが、政府がかなり優勢だったので、コロンボなど、居住地での銃撃戦などは一切ありませんでした。空爆くらいですね。

一般犯罪は多くない国です。例えば、痴漢とかスリはあっても恐喝や殺人はあまりないです。
暗い路地を歩くとか、大金を見せびらかしたりしなければ全く大丈夫ですね。



※参考
スリランカ内戦の終結~シンハラ人とタミル人の和解に向けて(外務省:わかる!国際情勢)

次回へ続く


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2012.06.02 15:43

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